第302回 8月25日(土)18:00~ ※ご注意! 都合により第4土曜日に変更します
「里山で繁殖するサシバの採食生態」 酒井 すみれ 氏 (酪農学園大学食農環境学科)
サシバは里山環境で繁殖密度が高く、近年個体数が減少している猛禽類です。繁殖地の保全に必要な知見を得るため、2000年から栃木県でサシバの採食行動、採食内容、そしてサシバの食物となるカエルやヘビ、昆虫の分布を調べてきました。その結果、サシバは里山の多様な環境をうまく利用し、食物の分布の変化に合わせて採食場所と採食内容を変えながら、多様な食物を得ていることが明らかになりました。今回はその概要をお話します。第303回 9月15日(土)18:00~
「天売島~ウトウの帰巣を取材して」 北波 智史 氏 (北海道新聞写真部)
日本海に浮かぶ天売島(留萌管内羽幌町)はウミガラスの繁殖地として有名ですが、ウトウの世界最大の繁殖地でもあります。今年6月、日没時に小魚をくわえてヒナの元へ帰巣するウトウを取材しました。空を埋めるウトウの群れ、降るように着地する親鳥、小魚をねらって集まるウミネコ~。生存をかけて繰り広げられる争いを写真と動画で再現します。併せて、ケイマフリ、ノゴマなどの野鳥の写真も紹介。島での鳥と島民の共存の工夫にも触れたいと思います。第304回 10月20日(土)18:00~
「2005-06年にみられたスズメの大量死の原因は“サルモネラ”」 中野 良宣 氏 (北海道空知家畜保健衛生所)
2005-06年の冬季に北海道中央部でみられたスズメの激減や大量死については、さまざまな原因が推定されました。中でも「サルモネラが原因でないか」との考えは、その後いくつかの補強的事実が明らかにされ真の原因と考えてもよいようです。今回、2006年4月に旭川市で採取され、酪農学園大学野生動物医学センターに保管されていたスズメの死体の検査結果を紹介するとともに、畜産現場からみたスズメの激減の様相や世界的な視点からのスズメとサルモネラの関係などについてふれてみたいと思います。
鳥の話はいかがですか?
「野鳥お勉強会」では、年4回程度、野鳥や自然に詳しい方を講師としてお招きし、居酒屋「鳥次郎」にて、少人数(10〜20人ていど)で会食しながらの勉強会を催しています。参加は自由ですので、どなたでもお気軽にお越しください。なお、予定人数を超えた場合はお断りすることがあります。参加費は飲食代のみの4,000円となります。なお、お店の都合により予約制としていますので、参加ご希望の方は当日の2日前までに富川(代表)までご連絡下さい。
2020年3月から新型コロナウィルス感染対策で開催を休止し3年半が過ぎました。現在、国では感染拡大防止と社会経済活動のバランスをとりつつ、できるだけ平時に近い社会経済活動が可能となるよう取り組むとし、感染症法上の位置づけを「2類」から「5類」へと移行しました。そして、昨今のコロナ収束化も見え始めたことから、いつまでも怯むことなく野鳥お勉強会は再出発いたします。
この3年半が、「長かったのか、あっという間なのか」の感覚はよく分かりません。しかし、当会を主宰する者のダメージは大きく、気力や体力の著しい低下に加え多忙と老齢を理由に一時は閉会までを考えるほどでしたが、やはり野鳥や自然環境情報の交流としてのコミュニケーションの場の必要性、会および個人としての想いとやり残し、そして何より周りからの「またやろうよ」の声があって、再認識すると同時に「もう少し頑張ってみよう」の決心に至りました。しばらくの音信不通をお許しいただければ幸いです。
野鳥お勉強会は1987年の創設からコロナで休止となる2020年3月までの34年間で392回の開催、延べ6,000人の参加で行ってきました。とりわけ当初から頑なに月1回の開催を実行してきましたが、これは何より講師陣と参加された皆さんのおかげがあって来られたことに他なりません。特に講師の皆さま方には面倒や無理を言ってのお願いも多々あったなど、ご迷惑とご心配、それにご配慮がありました。あらためてお詫びとともに感謝を申し上げます。
さて、これからの開催は、諸事情により誠勝手ではありますが、“無理せず楽しくゆるやかに”、年4回程度で開催することで進めようと思います。もちろん充実した内容を目指しますので、今後ともご支援ご協力のほどよろしくお願いいたします。