2016年開催目録

開催日 演 題 発表者 所 属

カワセミの美しさに魅せられ、野鳥撮影にのめり込んで早30年。当初は豆粒のような写真ばかりで見るに耐えられませんでしたが、それから双眼鏡を片手に観察を行い、また写真サークルの仲間との出会いもあって、徐々に納得の写真が撮れるようになりました。今回は7年以上観察撮影したカワセミの繁殖行動や生態写真をはじめ、近年の身近に春夏秋冬と小鳥たちを意識した映像をご覧いただき、新年にふさわしい鳥談議をしたいと思います。

写真を含む映像が怒涛のように氾濫する空前の時代となりました。「真実を写すから写真」と言われ、「見れば分かる」とも「百聞は一見にしかず」、「一目瞭然」とも言われます。そうでしょうか、私たちは、文字や国語などは小学生から教育を受けてきました。しかし、「見る」ことに関しては一度として学んだことはありません。分かりやすいが故に、落とし穴やワナもあります。歴史的な名写真から野鳥写真まで見ながら皆で考えてみましょう。

345-1 03.12 本州産クマゲラ研究小史 藤井忠志 岩手県立博物館首席専門学芸員兼学芸部長、NPO法人本州産クマゲラ研究会理事長
345-2 03.12 クマゲラと生きる 有澤浩 元東京大学北海道演習林助手、森林生物研究所
345-3 03.12 クマゲラの生物学 藤巻裕蔵 帯広畜産大学名誉教授
345-4 03.12 野幌森林公園のクマゲラを守ろう 富川徹 野幌森林公園を守る会事務局長

昨年、北海道新聞社から「昆虫図鑑 北海道の蝶と蛾」を上梓しました。蝶と蛾あわせて3,216種を図示しましたが、そのうち蛾は3,078種です。いままでに北海道で確実に記録された蛾は3,252種と考えられるので、その95%を掲載していることになります。では将来、研究がすすむと北海道の蛾は何種くらいになるのでしょうか?この図鑑を作る過程で、ある程度見通せるようになってきましたので予想してみたいと思います。

私は小学生の頃から趣味として野鳥を観察、撮影しています。生まれ育ちはオホーツク紋別、小さい頃からコムケ湖で遊び回っていました。そして18歳を過ぎた頃、大学進学と共に大都会札幌へ。しかし、どんな場所でも、どんな時でも、鳥たちに出会うたび、私の想像を超え、驚かされることばかり。そんな私がいままで衝撃を受けた鳥のはなしを紹介します。

外来生物は生物多様性の保全の上でもっとも大きな脅威の一つであり、日本では2005年に外来生物法が施行されて、自治体等が特定外来生物の防除を行うことが可能となりました。鳥類については外来種防除の取り組みが遅れていましたが、2012年に高知県内のNPO法人によりソウシチョウの防除実施計画が作成されました。また、神奈川県、山梨県、静岡県等で定着していたカナダガンの防除が関係機関の協同作業により進み、2015年に根絶に至りました。両種の事例を通じて、防除の課題を紹介します。

身近な野鳥カラスですが、相当誤解されていて損をしている鳥ではないでしょうか?身近な割には生態に関してあまり知られていないのが現状です。ゴミを散らかす、人を攻撃するなどなど、話題はたくさんありますが掘り下げていくと人間が関わっている場合も多いのです。今回は固い話ではなくカラスの面白い行動や人間臭い行動などをおはなししたいと思います。

アフリカと言えば、豊かなサバンナでライオンやヒョウ、ヌーやシマウマの群れ、キリン、アフリカゾウなどの野生動物をイメージしますが、実は野鳥も数多く生息している事を知りました。東アフリカのケニアで観察した野鳥の一端を報告したいと思っています。フラミンゴやハゲワシの仲間だけではなく、ちょっと珍しい野鳥も登場します。

生物に学ぶ技術(バイオミミクリ)や生物模倣(バイオミメティクス)といい、私たちの身の回りには自然に学ぶことによって生まれた技術にあふれています。今回は鳥に絞って、そこから考案された技術を紹介します。ちょっと、違った視点から鳥を見てみましょう。

北海道最北の島、礼文島において春を主体に鳥類標識調査を20年以上行っています。成果としてはまだ不十分だと思っていますが、どんな鳥がいつどこからどこへ渡っているかなど、少しだけ分かってきたことを報告します。また、島ならではの楽しい探鳥で観察された鳥たちの画像も紹介したいと思います。

「シマフクロウ」と言う鳥の名前は知られていますが、意外に姿や生態が認知されていません。絶滅が危惧されているシマフクロウを保護するために、私のできることは少ない。が、こんな素晴らしい鳥がいることを、写真の中の姿を見ていただくことで一人でも多くの人に知ってもらいたい。シマフクロウを通じて自然の尊さ大事さに関心を持ってもらい、子供達の環境教育や自然環境保護活動の啓発につなげていきたい。

「猛禽類の巣内調査」という調査項目をご存じでしょうか?その名の通り、猛禽類が巣を作った木に登り「巣の中を調べる調査」のことです。私は、2002年からこの調査を始め、2011年頃から仕事以外でもクマタカ、オオタカの巣に登るようになりました。今回の発表では、クマタカ、オオタカの巣の大きさ、巣材の違いを始め、巣に登ってわかったこと、登ってもわからなかったことを画像交えて紹介したいと思います。